WORKS - Others

Centre Pompidou-Metz - France, 2010

ポンピ ドー・センター - メ ス

 
 
 
 
 

This annex for the Pompidou Center in Paris, is to be built in Metz as a complex including an art museum and theater. By locating a large roof in the park, and by opening the glass shutter façade around the perimeter, a continuous transition of the interior and exterior space is created. The roof is made from laminated wood in a hexagonal woven pattern composed in the form of a Chinese bamboo-woven hat. This large wooden roof is covered in a Teflon-coated fiberglass membrane and allows soft natural light to filter into the interior. The main galleries are a series of 90mx15m cantilevering rectilinear tubes that float above the ground, and their glass window ends point in the direction of the cathedral and other monuments of the city.

 

ポンピドー・センター-メスの設計にあたって, 機能的な空間をつくるため,プログラムを単純なボリュームにアティキュレートし,それらを動線上明確で,相互関係が機能しやすいよう立体的に配置した.まず一般ギャラリーを幅15m,長さ90mの四角いチューブ状のボリュームに入れ,エレベータと階段が納まった六角形の鉄骨タワーの周りに3段に積み上げて配置した.3本のギャラリーチューブは,先端の小口が断面いっぱいのピクチャー・ウィンドーとなっていて、一番上層のチューブ3ではメッツ市のシンボルであるカテドラルを,チューブ2では中央駅を切り取った.このほか,レストランが納まる円形ボリュームと,オーディトリウム,オフィスやバック機能を納めた単純で閉鎖的な四角い箱形ボリュームを配した.
それらのボリュームを一体の建築として融合させるため,六角形の水平飛影面を持った木造の屋根で覆った.フランスの国土の形は六角形に近いため,フランス人にとって六角形は国のシンボルである.屋根の構造は中国の伝統的な竹を編んだ帽子から発想を得て、六角形と正三角形のパターンで構成され、曲面を構成する集成材の上・下弦材を幅広の木製束材でフィーレンデール・トラス状に結んだ.この木造屋根の上にPTFE膜の屋根を張り、日中には自然光が内部に届き、夜間には館内の光で建物全体が浮かび上がるようにした.周囲の公園の延長として大屋根の下に集まる場所をつくり、建物のファサードをガラス・シャッターで容易に消し去ることで、内外の空間の連続を可能にした.大屋根の下に入場無料の大空間フォーラムがあり,市民はお茶を飲んだり,彫刻やインスタレーションが自由に楽しめ,そこから垣間見られるギャラリーの作品に誘われ,少しずつ空間のシークエンスを体験し,奥に進んでいく.

 
photo by Didier Boy de la Tour
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